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感想メモ:問題解決プロフェッショナル「思考と技術」

問題解決プロフェッショナル「思考と技術」
問題解決プロフェッショナル「思考と技術」
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 2,447
  • 発売日: 1997/01

★★★★☆

 コンサルタントが問題解決に使う考え方の基礎を学ぶことができる本。

 主に紹介されているのは以下のもの。

  • ゼロベース思考
  • 仮説思考
  • MECE
  • ロジックツリー
  • ソリューションシステム

 最後のソリューションシステムが聞き慣れないが、
前の4つを駆使した問題解決のプロセス、とのことだ。

 コンサルタントだけではなく、社会人、学生、主婦、職業に関わらず、
すべての人が少なからず問題を抱えて生きているわけで、
その解決に役立つ考え方を知るのは良いことに違いない。

にも関わらず、こういった考え方がビジネス以外の場で使われているかというと、
あまり、そういうことはないように思える。

 しかし、個人がこういった本で勉強をして、
自分が抱えた問題の解決に活用するのは自由だし、
本書もそういった意図で書かれていることだろう。
ただ、独学で身につけた知識がどこまで実用に堪えるかは別問題で、
ここが独学のつらいところでもある。

 この本は、問題解決の基礎となる知識を絞って紹介してあるので、
一つでも実際の生活に活かそうとしてみるのがよさそう。
逆に言えば、実生活に活かさなければ何の意味もないが、それは読み手の問題と。
オススメ度は★4つです。

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感想メモ:ライト、ついてますか —問題発見の人間学

ライト、ついてますか—問題発見の人間学
ライト、ついてますか—問題発見の人間学
  • 発売元: 共立出版
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 1987/10

★★★★☆

 問題を解決するのは簡単ではないな、と心底思える本。

  • 問題を解決するには、まず「そもそも問題が何なのか」を理解する必要がある。
  • そしてその問題が、誰にとっての問題なのか?誰がそれを解決したがっているのか?を考える必要もある。
  • 問題を把握した、と思えたとしても、それは幻かもしれない。
  • それを子どもや外国人にも説明できなければ、問題を把握できていないのかもしれない。
  • また、問題解決を依頼する人自身が問題の原因なのかもしれない。
  • 人には問題があると、それを解決したいという欲求があるが、やっと問題を解決してから、その問題を解いて欲しかった人があまりいなかったことがわかることもある。

 
 というように、内容としては示唆に富むのだが、ちょっと読みにくい。目次が疑問文になっていることが多く、目次から内容の構成を予期できない。また、章同士にあまり関連がない場合も多く、ざっと読んでいても流れが頭に入ってこないので困った。もったいない感じ。読みにくさを考えると★3つかもしれない。

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感想メモ:カリスマ 人を動かす12の方法

★★★★☆

  潜在意識に訴えかけるコールドリーディングの手法をビジネスでも活用すれば、チームマネージメントがうまく行くに違いない、という本。以下まとめ。

  1. 人を動かすカリスマ性を持つには「何ができるか」より「どういう人か」
  2. カリスマ性を持つ人になるには自信は持つこと
  3. 自信を持つには最初は「なりきる」
  4. 「はったり」も続ければ「本物」に
  5. カリスマ性を感じさせるテクニックの紹介
  6. 部下を叱るときはポイントで、褒めるときは拡大解釈で
  7. 性格分析はMeタイプとWeタイプの2つだけで十分

 5.は、人に安心感を与えるコツというようなもので、他のコールドリーディングの本でも詳しく述べられている。知識として知っておくとよいかと思う。1.〜4.については、コーチングの本(例えばアンソニー・ロビンズ)と共通する部分がある。

 テクニックを学んだからといって、すぐに信頼を得られるわけではないが、人はどういう人を信頼しやすいのかという知識は、知っておいて損はない。★4つ。

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感想メモ:誰のためのデザイン?

誰のためのデザイン?—認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
誰のためのデザイン?—認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
  • 発売元: 新曜社
  • 価格: ¥ 3,465
  • 発売日: 1990/02

★★★★☆

 身の回りには理不尽なデザインであふれている。

 押すのか引くのかわからないドア。どのツマミでどこの火がつくのかわからないコンロ。膨大な数のボタンがあるリモコン。機能が多いが使い方がわからない電話。こういったものに出会ったとき、ユーザーは自分のせいだとあきらめてしまいがちだ。

 しかしそうではない、使いにくいのはデザインが悪いのだと声を上げるべき、というのが著者の主張。実際問題、ちょっと改良すれば使い方をまちがえることがなくなった、という例も多いからだ。

 デザインは、見栄えだけでなく、ユーザーの使い勝手も規定する。しかしそこまできちんと考えられたデザインを持つ商品は、残念ながらそれほど多くない。まだまだ発掘されていないものは多く、大きな可能性が残されていると言える。

 そんな世の中を変えるにはどうしたらいいだろう?手始めに、身の回りでどうも使いにくい、というものがあったら、どうしたら使いやすくなるかを考えてみるのもいいかもしれない。

 頷かされる部分が多かった。★4つ。

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感想メモ:成功の教科書 熱血!原田塾のすべて

成功の教科書 熱血!原田塾のすべて
成功の教科書 熱血!原田塾のすべて
  • 発売元: 小学館
  • 価格: ¥ 1,260
  • 発売日: 2005/02/26

★★★★☆

 著者は高校の先生で、生徒に目標管理をさせることで、部活で驚異的な結果を残すことに成功している。その手法と考え方を紹介しているという本。なまじ社会人がやっている目標管理よりずっと真剣。結果が出るのも頷ける。

 説明も具体的で参考になる部分が多かった。

・成功すると決める
成功している状態を、より具体的に鮮明にイメージする。そこからの逆算でやることを決める。「目標」は与えられるのではなく「本人にとって本当に価値のある目標」にする。

・目標設定
二週間先から。「最高」「絶対できる」「中間」の3つのレベルで設定。ノルマ(何件達成)にしない。感情を目標にしない。できることを達成し続けることで、自信に繋がり心が強くなる。立派な大きな目標にしすぎない。

・過去の分析
最高の自分と最低の自分を把握し、日々の生活から最高の自分に近づくようにする。成功する人はよく準備し、最高の自分の状態に置くことがうまい人。

・継続するために
目標を目につくところに。他人に伝える。成功イメージを口に出す。元気が出る動作、言葉を決める。達成した自分へのごほうび(利益)を考えておく。物心両方。

・成功する人は「真面目・素直・一生懸命」。

 参考になる部分が多かった。★4つ。

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感想メモ:タクシー王子、東京を往く。

タクシー王子、東京を往く。—日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」
タクシー王子、東京を往く。—日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 1,418
  • 発売日: 2008/05

★★★★☆

 タクシー会社日本交通の3代目社長川鍋一朗氏が、1ヶ月社長業務を休んでタクシー業務を行った際の体験記。川鍋氏は小さい頃から日本交通の社長になるものと考え、いかに良い経営者になるかという視点でキャリアを築いてきたというから驚きだ。

 日本交通と言えば、黒タクやドアサービスなど独自のサービスで有名だが、それ以外にも無線GPSの全車導入による配車効率の向上や、六本木ヒルズやリッツカールトン、ミッドシティなどに黒タク専用乗り場の設置も行っているそうだ。こういった新しい方策の策定や業務改善の源として現場の経験が必要、と決意し、周囲の様々な反応を押しきって実行したそうだ。

 体験記形式なのでサラッと読めるのだが、随所にタクシー業務のトリビアがちりばめられており(平均日収、乗車回数、走行距離、一日の業務の流れなど)、その辺りもおもしろく読めた。★4つ。

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感想メモ:60分間・企業ダントツ化プロジェクト

60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法
60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2002/12/07

★★★★☆

 中小企業向けの戦略を、60分間で立てられるようになりますよ、という本。

 MBAホルダーという肩書きからすると市場分析やらマーケティングやらして戦略を立てるのかと思いきや、それじゃ60分じゃ出来ないので切り口は違っている。ライフサイクルから考えて、成長していくものに乗るという判断基準や、顧客の心理的な障害を取り除いていくという観点から、システマティックに売るシナリオを考えていくというもの。

 ホントかよ、と疑うのも当然だが、紹介されていく流れに沿って考えていくことで、顧客の心理を考えた売り方が考えられるようになっているのは確か。ただし、パッと考えた方針をすぐに採用できるような小さい会社でこそ、この方法が活かせる。逆に大きな会社では、慣性モーメントが大きく方針の転換には手間と労力がかかるので、パッと立てた戦略をスピーディーに利用するのが難しいかもしれない。

 読みやすいので、物を売る仕事に関わっている人は一読するとよいと思う。顧客の心理を考えた売り方については、「感性」のマーケティングもオススメ。★4つ。


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感想メモ:マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男

マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男
マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男
  • 発売元: ランダムハウス講談社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2004/03/18

★★★★☆

 日本では巨人が金満球団だが、メジャーリーグではヤンキースがそれにあたる。しかし一方でアスレチックスは、年俸総額がヤンキースの1/3にも関わらず、プレーオフ常連というコストパフォーマンスの良さを見せている。その理由は、ベテランスカウトの経験に勘に頼ったドラフトをバッサリ改め、他球団が見向きもしない選手をデータに基づきお買い得に手に入れる方針が成功したから、という。

 そのデータ基づく方針もドラフト以外にもいろいろあるのだが、これがおもしろい。「出塁率重視 ≒ 四球重視」「盗塁は禁止」「バントやエンドランもしない」「守備は対して影響がないので攻撃重視」などなど。精神的な要素を排除していて、それがどの程度範囲まで確かなのかはわからない。しかしこの方針変更をしてから強くなっているようなので、かなり有効なのだろう。

 データ好きなアメリカ人の面目躍如だが、これはアメリカの中でも主流ではないと思われる。メジャーの解説を聞いていても、あまりこういう話は聞かないので。

 野球好きの人なら、楽しんで読めるだろうから★4つ。それ以外の人には、ほどほどだろうということで★3つ。


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感想メモ:2015年の日本—新たな「開国」の時代へ

2015年の日本—新たな「開国」の時代へ
2015年の日本—新たな「開国」の時代へ
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2007/12

★★★★☆

 似たテーマの本として「大予測 日本の3年後、5年後、10年後」を以前読んだが、今回のこちらの本の方が頭に入りやすかった。その理由としては、全編の内容が関連しあっている(互いに言及もある)こと、章毎のまとめがあること(結構大事)、一つの項目についての説明が豊富で具体的であることが挙げられる。

 内容は、1〜2章で日本の現状と今後の説明、3章で日本と似た境遇だが成長を続けているイギリスの事例紹介、4章以降は「新たな開国」の提言。

 主張はクリアで、これまでの日本は1億人という均質な市場のみを見ていても成長してこれたが、今後は労働人口も総人口も減っていくため、成長を見込むことはできない。非製造業もグローバル化を考えないといけませんよ(第三の開国をしましょう)、ということ。

 データも豊富で、国際競争力を持つ人材育成のために大学を強化すべき、外国観光客の地域へ直接誘致を伸ばすべきなどの主張にも説得力がある。

 ただし、金融危機以前の本なので、かなり前提条件が変わってしまった。イギリスは大きく沈み込み、「イギリスを見習おう」とは言いにくい状況になった。日本の強みとは何なのか、考え直す材料ともできるだろう。

 全体を通じて、読む価値はある。★4つ。


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感想メモ:適当日記

適当日記
適当日記
  • 発売元: ダイヤモンド社
  • 価格: ¥ 1,000
  • 発売日: 2008/02/01

★★★★☆

 「適当日記」だけあって、さすがの適当さだ。まだ読んでないけどさ。
↑といった感じの適当な文章が踊る本。(ちゃんと読みましたよ)

 文字になっていても十分おもしろいですな。強いて言えば、フォントいじりが逆効果だと思った。いじらなくても落とし所がわかるにに、ここで笑え!と強制されているようで微妙だった。

 他にも「適当」シリーズはいろいろ出ているらしいのだが、「適当手帳」は使用がためらわれるネーミングだ。「適当必勝祈願御守り」とか「適当定規」とかも、あったら相当手に取ることをためらわれることだろう。

 ざーっと羽毛のように軽く読めるので、重い本を読む気分じゃないときにでも。


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