「★★★★」カテゴリーアーカイブ

感想メモ:まず、ルールを破れ

まず、ルールを破れ―すぐれたマネジャーはここが違う
まず、ルールを破れ―すぐれたマネジャーはここが違う
  • 発売元: 日本経済新聞社
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2000/10/20

★★★★☆

8万人の調査結果に基づく「すぐれたマネージャー」とは?

 調査会社のギャラップによる、8万人のマネージャーと
100万人の従業員に対して行った調査結果。
そこから導き出されたすぐれたマネージャー像は、
以下の言葉に集約されている。

「人はそんなに変わりようがない
 足りないものを植えつけようとして時間を無駄にするな
 そのなかにあるものを引き出す努力をしろ
 これこそ本当に難しい」

 つまり、「弱点を補う」のではなく「長所を引き出し、
適材適所で働いてもらう」ということだ。
理屈ではわかっても、なかなかできることではないのが難しいところ。
多くの組織で、いまだ「いかに弱点を補強するか」に
焦点を当てた研修が組まれているのではないだろうか。

 長所を引き出すには、その人の才能を知ることが必要となる。
このあたりについては、続編である「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」に
より詳細な説明がある。

 ちなみにこの本では、マネージャーはリーダーの延長線上にあると見ている。
一方で、リーダーシップとマネージメントは異なるというのも一つの見方。

 組織は結局人である。
その人の扱い方について、理論は多くあるが、完璧な答えはない。
何を信じるかはそれぞれだが、知らないものを信じることはできない。
いろいろと学んでいるうちに、共通した部分が見えてくるのではないか。
ということで、知っていてもよいと思う。★4つ。

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感想メモ:イラスト版からだのつかい方・ととのえ方

イラスト版からだのつかい方・ととのえ方―子どもとマスターする42の操体法
イラスト版からだのつかい方・ととのえ方―子どもとマスターする42の操体法
  • 発売元: 合同出版
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2008/03

★★★★☆

 子供に体の使い方を教える親のための本だが、
大人が読んでも体についての理解が深まる

 前半は、操体法の説明というよりも、
子どもに日常生活での体の使い方を
教えることを目的としている本。
例えば「立つ」「歩く」「座る」
「荷物を持つ」「ボールを投げる」など。

 後半は、操体法に基づき体の歪みを
整える方法についての説明となっている。

これも、お母さんが子どもに行う
というイメージで書かれているので、
非常にあっさりとした説明になっている。
以下にプロの方の書評があり、非常に参考になる。
操体関連新刊:からだのつかいかた・ととえかた イラスト版 – 操体医科学研究所@書庫

 すごく軽く読めるが、結構奥深い。★4つ。

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感想メモ:コークの味は国ごとに違うべきか

コークの味は国ごとに違うべきか
コークの味は国ごとに違うべきか
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 2,000
  • 発売日: 2009/04/23

★★★★☆

The World is not flat

 The world is flat(フラット化した社会)は、
トーマス・フリードマンによる「テクノロジーにより
国境を越えた社会のつながりが広がっていること」を示す言葉。

 一方本書の著者ゲマワットHBS教授は、
世界はまだグローバル化しておらず、
セミ・グローバライゼーションの段階に留まっている。
そして数十年はこのセミ・グローバライゼーションの状態が続くと述べる。
つまり、本書の内容を一言でいうと「The world is not flat」だ。

 実際に社会を見てみると、グローバル化は限定的なものである。
GDPに対する貿易の額は、アメリカでも10%程度というのが
クルーグマン教授の示すことだし、本書でも「ほぼ10%」という見方が
示されている。

 なぜか。

 隔たりがあるからである。
その隔たりを、本書では4種類に分類している
CAGE(Caltural,Administrative,Geographical,Economic)。
こういった隔たりを考慮せずにただ「グローバル化」と息巻いても
うまくいきませんよ、というのが本書の主張だ。

 ではどうすればいいか、に関しては詳細に書かれているので読んで欲しい。
タイトルにある通り「コークの味は国ごとに違うべきか」という点については、
「Yes」という答えになるのだろう。
世界はグローバル化しているのだから、同じ商品同じ広告同じ戦略で行けばOK、
なんて話はないということだ。

 
 内容はすばらしいが、マジメに読むとかなり時間がかかる。
私も、世界はまだ大部分がflatではないと思った。★4つ。

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感想メモ:写真 図解 操体法の実際

写真 図解 操体法の実際 (健康双書ワイド版)
写真 図解 操体法の実際 (健康双書ワイド版)
  • 発売元: 農山漁村文化協会
  • 価格: ¥ 1,700
  • 発売日: 2005/04

★★★★☆

 1980年の本で内容的にはやや古く、第1世代の操体法のやり方が説明されている。
(「楽な方」「瞬間脱力」など。参考:操体法について

 今から操体法について本を読むのなら、他の本から入った方が良いかもしれない。

 ただこの古いやり方にも十分使い道があることがわかったので、
いずれ書く予定。体や健康に興味がある人には★4つ。

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感想メモ:3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術

3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術
3000人のユダヤ人にYESと言わせた技術
  • 発売元: サンマーク出版
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2008/06/17

★★★★☆

 交渉の本質は、良い人間関係を作ること

 筆者は1万以上の豊富な経験と知識を元に、
ユダヤ人、アメリカ人、イタリア人、スペイン人、フランス人、
アラブ人など様々な人の交渉スタイルの長所(短所)を説明している。

 この本から学ぶべきは、彼が出会った最高のネゴシエーターとしている、
ユダヤ人の交渉スタイルだろう。

  • 相手のことは事前に徹底的に調べ、それでいてそうは感じさせない
  • 自然に相手の警戒を解く話術と雰囲気作り
  • 相手を思いやっていることを自然と伝え、交渉の土台となる信頼関係を築く
  • お互いに納得できる条件を目指す

 交渉というのはゼロサムゲームになりそうだが、
「相手がして欲しいことをタイミング良くするのが、スムーズな交渉のコツ」
だというのだ。

 などと言いつつ、普通の人は日常的に外国人と交渉する機会などないわけだが、
日本人が相手の交渉であっても基本は同じである。

「この人のためならなんとかしてあげたい」
「この人となら一緒に仕事をしたい」
と思ってもらえるような人こそが、理想のネゴシエーターなのだろう。

 前出のユダヤ人は、このことを
「交渉の本質というのは、良い人間関係を作ること」
と表現している。
もちろん、理想だけに簡単ではなかろうが。

 おもしろく読めた。★4つ。

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感想メモ:ちょっとアホ!理論

ちょっとアホ!理論 倒産寸前だったのに超V字回復できちゃった!
ちょっとアホ!理論 倒産寸前だったのに超V字回復できちゃった!
  • 発売元: 現代書林
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2006/05/30

★★★★☆

 同じアホなら?

 業績悪化。様々な対策を試し、どれも効かない。倒産の危機。モチベーションの低下。ストレスによる重度の胃潰瘍。

 古着屋の社長である著者が、そんなギリギリの逆境でたどり着いた答えが、
 「アホになる」
 ということだった。

 別に仕事を全部おちゃらけてやる、ということではない。
お客様、社員、自分。皆が「楽しいか」を判断基準とするという
価値観の転換だった。

 「楽しんでもらう」「喜んでもらう」という視点は、商売の基本である。
いかに楽しんでもらうかを考え抜いた末に、アイデアが生まれる。
そのアイデアを、熱意を持ってやり切る。
そこに、ここまでやるか!?という感動が生まれる。
そこに、人が集まる。

 カリスマ的な社長の元で「ちょっとアホ!」な集団として一丸となった結果、
業績は見事なV字回復を見せ、以来好調を続けているとのこと。

 
 ここで描かれている話を毛嫌いする人は、一定割合いるだろう(Amazonの書評を見ればわかる)。
いわゆるビジネスライクな世界とは相容れないからだ。
しかし、だからといってそれが価値がないことにはならない。
個人が心の中で「熱くなれる楽しさ」を求めて暮らすことに、
何の問題があるだろうか?

 「ABC」(あたりまえのことをバカになってちゃんとやる)の実例なのかもしれない。★4つ。

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感想メモ:READING HACKS!読書ハック!

READING HACKS!読書ハック!―超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣
READING HACKS!読書ハック!―超アウトプット生産のための「読む」技術と習慣
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2008/10

★★★★☆

 ビジネスマンが大量の情報を処理し、アウトプットを行うための読書のやり方について書かれた本。内容としては「レバレッジ・リーディング」、フォトリーディング本、勝間和代本に共通する部分が多い。例えば、アウトプットを重視、多読推奨、目次読書、読書メモ作り、トピックリーディングなど。

 一方、細かく具体的なHACKの紹介やITツール活用などは「HACKS!」シリーズ本らしいところ。例えば想- IMAGINE Book Search書評メタ検索は使っていなかったので、試してみたい。また「読むべき本」の紹介もあり、読書のネタとしても使える。

 ★4つ。本が好きな人は読むべき。最後に、「ブックストッパー」も紹介されているが、使い勝手は「ほんたった」が最強だと確信している。

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感想メモ:レバレッジ・リーディング

レバレッジ・リーディング
レバレッジ・リーディング
  • 発売元: 東洋経済新報社
  • 価格: ¥ 1,523
  • 発売日: 2006/12/01

★★★★☆

 「レバレッジ」シリーズの本田直之氏が、「ビジネスに役立つ読書のやり方」について説明している本。

 彼が勧めるのは「多読」であり「速読とは違う」としながらも、フォトリーディングと重なる部分は多かった。結局のところ「全部精読しない」ということなのだ。してたら数は読めない。

 「カラーバス効果」は、テーマを持って読むことで内容が頭に残りやすくなるということで、フォトリーディングの予習にあたる。これは潜在意識への刷り込みなのだろう。

 「読んだままにしない」というアウトプット重視の姿勢も、記憶の強化という面からも納得できる。私がこういう形で書評を書いているのは、そういう意味である。

 他にも、別の読書本で読んだ内容が見られるが(トピックまとめ読み、多読、ためらわず買う、読書は格安の自己投資)、それだけ多くの人が認める確かなことなのだろう。オススメのビジネス書なども紹介されていて、読んで損はない良い本。★4つ。

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感想メモ:予想どおりに不合理

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 1,890
  • 発売日: 2008/11/21

★★★★☆

 行動経済学の本

 一般の経済学が「人は全ての状況を考慮して理性的に最適な経済行動を取る」と仮定しているのに対し、行動経済学は「そんなわけない。人はそんなに理性的じゃない。もっとテキトー」という前提に立つ。

 タイトルの「予想通りに不合理」は、人間は理性的じゃない=不合理な行動を取ること、その不合理さはランダムなのではなく、心理にもとづきある傾向を持っている、という意味である。

 この本では以下のような内容が紹介されている。

  • アンカー効果
     比較できるおとり(とても高いもの)を置くと、次に高いものがよく売れる
     どんな数字でも値付けのアンカーになる(保険証番号でも!)
  • 無料の力
     1円と無料には大きな隔たり。人は無料のものに対して理性的な判断ができない
  • 社会規範と市場規範
     報酬が支払われると、途端にやる気が減る(市場規範)
     プレゼントでは市場規範にはならない。お金は意味が違う
     「100円のお菓子」だと市場規範になる
     お金のことを口にしたり考えたりするだけで市場規範に!
  • 予測の効果
       おいしそうだと予測すると、やはりおいしく感じる
       まずそうだと予測すると、やはりまずく感じる

 行動経済学の本を読んだことがあれば、似たような話を見たことがあると感じるだろう。例えば「セイラー教授の行動経済学入門」など。こういった本を読んだことがある人には★4つ。ない人には★5つ。

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感想メモ:操体法治療室―からだの感覚にゆだねる

操体法治療室―からだの感覚にゆだねる
  • 発売元: たにぐち書店
  • 価格: ¥ 2,100
  • 発売日: 2002/12

★★★★☆

 操体法の雰囲気がわかる本

 操体法の創始者である橋本敬三氏の治療室「温古堂」での治療風景を、物語風に記した本。

 操体法の特徴である「痛くない方へ」「気持ち良いように動く」「気持ちよさを味わう」「動きに抵抗を与える」ということの意味が、数多くのエピソードを通じて深く描写されている。

 例えば「気持ちよい状態で止まり、脱力する」ということにしても、「止まるのは人によって最適な長さは異なる」「脱力の仕方も、瞬間にするのが良い人も入れば、ゆっくりと抜いて行くのが良い人もいる」というように、それぞれの人毎に異なるはずだと説く。

 3秒止めて、瞬間で脱力、という画一的な操法は、入り口としては良いかもしれないが万人に向くものではないということなのだ。

 このように、操体法の本の中でも、かなり深いエッセンスが盛り込まれていることから、他の本をいくつか読んだ後で取り組むと良いと思う。

 ただし、イラストは非常に味があるため、参考にするのであれば他の本の方がわかりやすいかもしれない。この本は文章を味わう本。味わえる内容は非常に豊かである。★4つ。体や健康に興味がある人には★5つ。

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