★★★★☆
「カネ、モノが豊か」な状態というのは、わかる。
それでは、「人が豊か」というのはどういう状況なのだろうか。
「必要なとこいつでも他人のチカラを調達できること」。
そのための人間関係、すなわち「自分ネットワーク」が
豊かであること、と著者は言う。
こう聞くと、目的のために利用するための人間関係、
というように聞こえるが、そうではないようだ。
お互いにチカラを引き出しあう豊かな人間関係、
とのことである。
その秘訣は、出会いに「!」、つまり小さな感動を盛り込むこと・・・
著者は「つなげる力」の藤原氏。
リクルートから公立中学の校長へ赴任し、
次々と新しい試みを行っている注目の人だ。
内容は、その著者が語る人間関係のノウハウ集。
相手の興味を引くには?聞き上手になるには?
初対面の人と打ち解けるには?などなど。
そのコツは、5つにまとめられている。
- 人間に関心を持つ
- 強みだけでなく、弱みでもつながること
- 組み合わせる力が縁を倍加する
- 知恵を借りる姿勢をくずさない
- 相手の言葉で語る技術
なんとなくは感じていることだが、
文字としてまとめられていると認識が深まった。
以下、いいこと言った!と思った部分。
- 感動の”!”は、質問の”?”から始まる。
- 衝突があるから人間関係はおもしろい。
- まずは、大きくうなずいてください。身を乗り出して聞いてください。
- 相手と自分共通点を探してリンクを張りましょう。
- 努力しても距離が縮まらない人と無理につきあう必要はありません。
- 「たとえ話」がうまくなると、会話が一段と弾みます。
- 身近な体験を盛り込んでください。テレビや雑誌で見聞きしたことではないあなた自身の体験談を。
- 子どものころの話を聞いてみてください。
- 面白い話は圧倒的に体験談。つまらない話をする人は「べき論」「評論」「一般論」ですね。
- 他者から与えられた信用と共感が大きい人がリスペクトされます。
人間関係は誰しもに関係する大事なこと。
文庫本でサラッと読めるので、持ち歩いて時間が空いたときに
読んでおくとよいでしょう。★4つ。
藤原氏の本では、「つなげる力」がおもしろい。
ちょっと触れた、公立高校での試みの話などが書かれている。
こちらもぜひ読むべき。
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