経済学は、
「人間は完全に合理的な行動を取る」
と仮定している。
しかし、自分のことを考えればすぐわかるが、
そんなことはない。
さっさとやればいいと、頭ではわかっていても逃避する。
時間のムダだと思うことに没頭する。
10円の節約をして10000円の無駄遣いをしたりする。
何より「めんどくささ」にものすごく弱い。
だって人間だもの。
では、その人間らしさを考慮したらどうか。
具体的には‥
- 選択肢を多くしすぎない
- デフォルトの選択肢を推奨されるものとする
- 選択肢の検討は、可能な限り簡単にする
など。
こういったことによって、
多くの人々が最大の利益を得るような、
制度設計が可能になる。
この本では、こういった工夫のことを
「ナッジ」と呼んでいる。
実例として、
資金運用プランの設計、
保険制度の設計、
などが挙げられている。
この考え方は、人々を狙い通りに動かす、
という強力な力を秘めているので、
良心を持った運用が求められる。
以下、メモ。
社会的影響力は二つのカテゴリーに大別される。
第一のカテゴリーは「情報」である…
第二のカテゴリーは「仲間からの圧力」(ピア・プレッシャー)
である…(p91)
つまり、「みんなやってるよ」効果。
「みんな悪いことやってるよ」にしてはいけない。
「みんないいことやってるよ」にするのがポイント。
社会的に望ましい行動にナッジしたいなら、
現在の自分たちの行いが社会的標準レベルよりも
良いことを絶対に知らせてはならない(p114)
え?がんばりすぎた?もっと手を抜こう。
となるから。
制度設計に関わる人には、
ぜひ一読をオススメしたい。
ただ、ページ数多いので注意。