★★★★★
修身教授録がすばらしかったので、続いて手に取った。
こちらもすばらしかった。
人生に影響を与える一冊となる気がする。
こういう本と出会えるのは幸せだ。
前半は、森信三氏の人生を時系列で追った伝記。
後半は、氏に影響を受けた人々を紹介し、
間接的に森信三氏の影響の大きさを浮き彫りにしている。
森は、「いかに学問を積んだとしても、
それが現実を変革していく力になり得なければ、何の意味もない」
として、いっそう実学に傾斜していった(p52)
こう言える思想家が、どれだけいるだろうか。
日本を代表する教育界の偉人、
そして思想家にまでなった森信三が、
子どもの教育において何より重視したのが
「立腰」であるというのは、とても興味深い。
心は見えないから、まず見える体の方から
押さえてかからなければならぬ。
それゆえ、心を正そうとしたら、まず体を正し、
物を整えることから始めねばならぬ。
靴を揃えること一つが、いかに重大な意味を持つかわからぬような人間は、
論ずるに足りない(p303)
立腰は一切の事柄に先駆けて必要です。
それは人生において、その子に宝物を与えたことになります(p229)
そして教育においては、何より教師自身が、
いかに人生を真剣に生きているか、
その生き方が問われるとしている。
真実は感動を通してのみ授受せられる。
だがそれには、教師自身の生きた真理に対する
感動こそ、その根源といえよう(p291)
人間の偉さは才能の多少よりも、
自分に授かっている天分を、
生涯かけて出し尽くすかどうかにあるのです(p124)
これは、教師だけに限らず、
誰の心に切り込んでくる言葉ではないか。
「人生二度なし」
人生を良く生きたいという人には、
強くオススメします。
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