★★★☆☆
「影響力の武器」のような心理学的な話が、
価格設定においてどのような影響があるか。
また、それにはどのようなパターンがあるか。
といった話を19章にトピックとしてまとめられている。
「チョコレートポット」という架空の商品を考え、
その価格設定の場面を通して考えている。
売り手側は、できるだけ高価な商品と
類似しているように仕向けて、
想定価格を操作できる(p22)
競争相手の選択と、それに合わせたポジショニング次第では、
まったく違う価格設定ができる(p24)
高額予算の顧客の支払額を増やすには、
商品を差別化し、そのような顧客が魅力を感じる
高額品を提供すればよい(p60)
無料サービスを提供すれば顧客が購入を急ぐのは、
何かを無料で手に入れられるチャンスを
逃したくないと思うからである(p199)
「行動経済学」の本で読んだことがある話もあるが、
より現実の場面を意識した、実践的な話である印象。
価格設定というのは、とても繊細で難しい作業。
価格設定に携わる人は、こういったノウハウは
知っていて損はないはずだし、
消費者としても裏側が見えておもしろく読める。