ホスピスで緩和医療医として、
死を迎える数百人の人々と接してきた著者。
死が近づくとどうなるのだろうか?
知識を持っておくのは良いことだろう。
死ぬ直前は、一般的に苦しくないと言っていいようだ。(p56)
終末期であることに直面すると人は
「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」「受容」
等の気持ちを一個以上持ちうる(p98)
死の間際の患者さんにとって一番うれしいことは何か。
それはちゃんと会いに来てくれて、そのままを
受け入れてあげることである。(p106)
お見舞いに、アドバイスは要らないようだ。
特に、自分の容体を理解している人にとっては。
一方、人生についても考えさせられる。
特に心に残ったのは、以下の部分。
愛する人の名前は死ぬ直前には呼べない。
だから、それより前にたくさん呼んで欲しい。
そして、たくさん一緒の時間を過ごしてほしい (p53)
死の恐怖に堪える方法は死から強いて眼をそむけることではなく、
日々の生活の中で小さな死の別れを繰り返して
心の準備をしておくことであるということです(p201)
結局のところ、人生の意味など問うべきではなく、
自分自身がそれを問われているのだということに気がつくべきだ。
つまり一人ひとりが、人生からその意味を問われているのであり、
自分自身の人生のすべてを引き受ける、つまり責任ある生き方を
することによってのみ、それに答えることができるのだ(p206)
生きているのは、あくまで状態である。
どう生きるのか、そこが重要なのだと思う。(p230)
多くの人は、自分の死はないことにして過ごしている。
しかし、死があるからこそ、真剣に生きることができる。
大切な人も、自分も、いつか必ず死ぬのだから。
「あした死ぬかもよ?」と共に、オススメです。