「誰が呼ぶ!?
いや、誰も呼んでいないのではないか・・・
と、とにかく、ただいま参上!猛省マン!」
「フッ来たか。
こちらが何もしなくても、放っておけば勝手に崩れていきそうな、その危うさ。
だから、アタシがついていてあげないと・・・
じゃなくて、私がお前と戦う理由もそこにある!」
「何を言っているのかよくわからないが、
ほめてくれてありがとう!」
「ほめてない!!」
「フフッ。照れちゃって、カワイイやつ・・・
だからといって、手加減なんぞしないぞ!」
<!!自動発動!!クリティカルセルフクリティシズム!!>
(待てよ・・・)
(しかし、私はなぜあいつと戦うのだろうか・・・)
(私は何をもって、あいつを裁こうとしているのだろうか・・・)
(私だって、聖人君子ではない。罪を犯したこともある・・・)
(そんな私に、あいつと戦う資格なんて、あるのだろうか・・・)
(そもそも、なぜ私なんかが「ヒーロー」と呼ばれているのだろうか・・・)
「・・・おい!おい!!」
「ハッ?」
「クッ、戦っている最中にいきなり回想シーンで自省か!
そんなヒーロー見たことないぞ!」
「うぅ、申し訳ない・・・」
「相手に謝るヒーローって・・・」
「いえ、私なんかがヒーローだなんておこがましい」
「クッ、なんだか、めんどくさい空気に・・・
ええい!ままよ!
どうだ!巨大昆虫を呼び寄せたぞ!
あいつが到着すれば、町は壊滅だ!」
「貴女はなぜそのようなことを・・・
ハッ!」
<!!自動発動!!クリティカルセルフクリティシズム part2!!>
(全ては、私という存在が、
この町に災厄を引き寄せてしまっているということ・・・!)
(わかった!わかったぞ!
私がいなければ、私さえいなければ、世界が平和に近づく・・・!)
「わかった!今やっとわかったぞ!」
「イヤな予感しかしないが、一体何がわかったのだ?」
「答えは、こうだ!」
「あれ?おーい・・・
なんだ?どこいったんだ?職務放棄?
うーん、困ったなぁ。どうしよう。
見ている一般人の方々の戸惑いもハンパない。
なんかこれで町に攻め込むの、ものすごい気が引ける。
しょうがない。出直すか・・・ううう、めんどくさい・・・」
こうして町の平和は守られ、
めんどくさい空気をかもしだす猛省マンは、
見ていておもしろくないので速攻打ち切りになるのであった。
おしまい。