- ダメな議論—論理思考で見抜く (ちくま新書)
- 発売元: 筑摩書房
- 価格: ¥ 714
- 発売日: 2006/11
★★★☆☆
巷に溢れる怪しい議論を見抜くための5つのチェックポイントの紹介と、ダメな反論のしかたについての説明。後半は、ニート問題、食糧安保論、日本の財政問題などの現実の話題を例にあげ、ダメな議論のチェックをしていく。
そのチェックポイントとは以下の5つ。
- 定義がおかしくないか
- 反証不可能/無内容でないか
- 根拠が例え話
- 理論の応用がおかしくないか
- 単純なデータで否定されないか
「構造改革」「国際競争力」「夢」などは1にひっかかりやすい。「大変な事態になる」など抽象的な主張は2にひっかかる。「近年の凶悪犯罪の増加」などは5.で否定される。
しかし、私がこの本で最も興味深かったのは、日本の財政問題に関する記述だったりする。日本国債の保有者は6割が政府系金融機関、3割が民間金融機関で、結局はほとんど家計が保持しているとのこと。対外債務は5%程度なので、「日本の借金」ではないのだ。
全体としては、やや読みにくい。目次を見ても内容が思い出しにくかったり、今一つすっきり入ってこなかった。もっとおもしろくなれる本だと思う。もったいないので★3つ。
関連エントリー:
- 読書メモ:日本の選択 日本の財政について似た記述
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