正義の味方 指示待ちマン!

「ああ、怪獣が街を好き勝手破壊している!こんなとき指示待ちマンがいてくれたら! そうだ!みんなで呼ぼう!」
『助けて!指示待ちマン!』

「誰が呼ぶって人に決まってんじゃん!正義の味方、指示待ちマン参上!」



「えっと・・・指示待ちマン?」
「はい?」
「何してるの?」
「いや、どうすればいいのかなーと思って。独断で何かしてマズいことになっても迷惑でしょう?」
「でしょう?じゃなくて、怪獣暴れてるじゃない!なんとかしてよ!」
「なんとかしてって、そんなあいまいな指示じゃこっちも動けないんで。」
「わかったよ!じゃああの怪獣倒してよ!」
「ああ、あの弱そうな奴ね!で、倒すってどうすればいいの? 地面に寝そべらせればいいの?それとも息の根を止めないといけないの? でもこんな街中で息の根止めちゃうと、その後の屍の処理が大変じゃ・・・」
「ああもうめんどくさいなぁ!あの怪獣がこれ以上街を破壊しないうちに、 うーんと・・・じゃあ宇宙空間に放り出してよ!」
「ムリムリ。宇宙って(笑)」
「なんだよお前やる気あんのかよ!ホントに正義の味方かよ!」
「当たり前じゃない。きちんとした指示さえもらえれば、ちゃんと正義の味方としての仕事をこなして見せますよ!」
「くそー使えねぇ正義の味方だなぁ!」
「いや、使えないのは私ではなく、適当な指示を出せないあなたの方でしょ。」
「お前いらないよ!もう帰れ!」
「了解!」

〜「帰っていい」「やらなくていい」などの指示はあいまいでも的確にこなす、 やる気レスな指示待ちマンは、子供たちの成長に悪影響を与えるという懸念から、 「子供に見せたくない番組」の上位に安定してランキングされ続けるのであった。〜