人間は未来を知ることができない。
古来におけるシャーマンや預言者といった人々は、 精霊や神によって未来を知らされているとされ、 その未来についての知識ゆえに人々の尊敬を得ていた。
現在においてもそれは同様である。 著名な経済学者に話を聞きに行く人が多いのは、 その人が経済を予想できると思うからだし、 プロ野球中継の実況のアナウンサーが、 解説者にそのバッターが打つかどうか聞くのは、 解説者が結果を予想できると思うからである。
つまり、未来を知っている(と思われている)ことはえらいことなのである。
しかし問題はそれほど簡単でもない。
例えば私が、指でダンゴムシを転がし、
そいつが何秒後に動き出すかを正確に予想したところで、
あまり人々の尊敬は勝ち得ない。
ニーズのない未来を知っていてもダメなのだ。
(ちなみに私が小学校の自由研究で、
ダンゴムシが動き出す秒数を調べたことがあるというのはナイショだ)
そこで私は大胆に未来を予想してみる。 (この時点ではまだ何も考えていない)
今年は例年に比べやや暖冬で、東京で雪(みぞれ含む)が降るのは4回、 そのうち積もるのは2回で、転んでケガをする人は130人以上に上るし、 松井は三冠王を獲るがその時「ファンの皆さんに一言」と言われたときのコメントは、 「ファンの皆さんがずっと応援してくれたおかげで、 この三冠王というタイトルを獲ることができました、 ありがとうございます」 だし、私はこれから風呂に入って寝るだろうし、 あなたはこれを読み終えた後、「どうでもいい」と思うだろう。