40年の寿命のうち、花が咲くのは数回だけで、 しかも開いている時間はわずか8時間。 その間に、動物の死体にたかるハエを悪臭でおびき寄せ、受粉させる。
チョウやハチではなく、ハエをおびき寄せるとは、すさまじい植物だ。 ハエがたかって黒くなっている花。 想像するだけでもかなり凄惨な感じである。
しかし、くさいといいにおいは紙一重、という話もある。 う○このにおいを薄めると、とてもいい香りになるというのだ。 しかし、うん○のにおいを薄めて嗅いだことがないし、 これからも嗅ごうと思わない。 ではこの花はどうなのだろうか、という疑問も持たれる。 やっぱり嗅ごうと思わないのだが。
この植物の名前は「アモルフォファルス・チタヌム」だそうだ。
「君ってアモルフォファルス・チタヌムのような香りがするネ!」
と言さわやかに言われたら、なんとなく南国に咲いていそうな花っぽい名前だが、
よくわからないままに「あら、そうかしら?」などと喜んではいけない。
それは間違いなく侮辱である。
胸ぐらをつかんで、とことん語り合いましょう。
また、賞味期限という概念を超越した熟成により、
斬新な薫りを放っている食べ物などに対しては、
「あ〜、それはちょっとアモルフォファルス・チタヌム臭がするね。」
などと言うと、会話にアクセントが加わっていいんじゃないでしょうか。
一度ちょっとだけ嗅いでみて、妙にうれしそうに「うわ!くさっ!」といってみたいものだ。