小説よりも奇

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気弱な?強盗男、「冗談だよ」と逃走

彼の行動には不審な点が多々ある。まず
「これはガソリンだ。火を付けたら燃えるぞ。金を出せ」
という脅し文句がおかしい。

どこが不審かというと、私がこの「脅し文句」というフレーズを入力するのに、 まず「踊り文句」次に「卸文句」 と二回も打ち間違えてしまったところがとても不審だ。 明らかに何かがおかしい。不審だ。

さらに、彼が包丁とプラスチック容器と二つ武器を持っているにも関わらず、 プラスチック容器しか用いていない点がおかしい。 私なら、プラスチック容器がだめならば次に
「これは包丁だ。切りつけたら切れるぞ。金を出せ」 と言ってみるだろう。 逃げるのはそれからでも遅くはない。おかしい。不審だ。

最後に「何でそんなことするの」と言われて 「まあ、冗談だよ」と言い残して逃走した点がおかしい。 仮に彼が言っているように、本当に冗談だったのだとしよう。 一体、何が冗談なのか。

おそらく「これはガソリンだ。火を付けると燃えるぞ」 というのが冗談なのだろう。彼一流の。(=おもしろくない)
「これね、ガソリンに見えるけど実は水なの。 だから火を付けても燃えないの。ぷはははは!」
といった感じの。 あまりに面白くない。不審だ。


しかし、なにか大きな勘違いをしている気が・・・
もうちょっと考えてみよう。  あ。
「これ」「ガソリン」であって 「火を付けたら燃える」ことと、 「金を出す」ことの関係が不明確だ。説明が足りない。

もしかすると「火を付けたら燃える」のはであって、 要するに「私、これから火芸を見せますんで、見物料ください」 ということだったのかも知れない!

なるほどこれなら「冗談だよ」という言葉も
(えっ?私の芸見てくれないんですか? 別にこっちは慣れてるから熱くないのに・・・ しかしこりゃ参ったな。しょうがない、なかったことにするか〜)冗談だよ」
ということだったのだと納得できる。

危うく間違った結論に飛びついてしまうところだった。
一見おかしく思えることでも、真実は美しく物事を説明できるものだなぁ。