本の紹介。
ブルーバックスの「記憶力を強くする」(池谷裕二著)を読んでいます。
非常におもしろくオススメの本ですので、内容についてざっと紹介しておきます。
「歳をとると記憶力が悪くなる」
「歳をとると物忘れが激しくなる」
というのは良く聞かれることです。
しかし「それは誤解だ」と著者は言います。
確かに歳をとると、神経細胞の総数は減っていきます。
しかしシナプスの数は逆に増加していくのです。
このことは、歳をとると記憶容量は大きくなることを示しています。
ただ、年齢によって得意とする記憶の種類が変化するのです。
若いうちは、丸暗記のような記憶に適しています。
それが歳をとるにつれ、丸暗記の能力は下がりますが、その代わりに論理だった記憶能力(エピソード記憶)が発達してきます。
つまり、年齢によって得意とする記憶の種類が変わるだけに過ぎないのです。
つまり、歳に応じた記憶の仕方をすることが重要だということになります。
と、これだけでもかなり興味をそそられるのではないでしょうか。
他に眠りや夢に関する記述もあり、興味深いです。
全体としては。
まとめるのがうまく、文章もわかりやすいです。
脳についての知識がある人には冗長と感じる部分があるかもしれませんが。
記憶は誰の生活にも密接に関わり、避けることができません。
この記憶についての知識を持っておくことは、決して損ではないでしょう。
星四つ。