「天皇の戦争責任」加藤典洋、橋爪大三郎、竹田青嗣(径書房)を読んだ。
かなり分厚い本なのだが、著者がいずれも賢い人たちなのでそれほど苦労せずに読めた。対談形式だけに、議論がかみ合っていなかったりして多少読みにくい部分もあったが。
要点は以下のようなものだ。
今までのような「日本は悪かった=天皇に戦争責任がある=革新派」
対「日本は正しかった=戦争責任はない=保守派」
という二者択一では、そこから先に進むことはできない。
どちらの意見も極端すぎて、一般の人の感覚とは結びつかない。
戦争には仕方がない部分もあった。しかし悪い点もあった。
そういったところから一般的な共通認識を作り上げることで、
日本がこれから国際社会を生き抜いていく土台が作られることになるのだろう。
今までなんとなく「考えておいたほうがいいんだろうな〜」と思いつつもそのまま過ごしてきた問題なので、 こういう信頼を置ける人たちが書いているものがあるのは非常にありがたい。 読み返す価値がある本だ。オススメ。