- 影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣
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- 発売元: 誠信書房
- 価格: ¥ 2,100
- 発売日: 2009/06/09
★★★★★
「影響力の武器」の続編。
具体的な研究事例をベースに、「影響力の武器」で紹介された
原理がどのように働いているかを紹介している。
聖幸さん同様、メモを取っていたらメモだらけになってしまった。
これは良著の証。
- 社会的証明とは、みんなやってますよ、というお墨付き
日本人は特にこれに弱いかもしれない - 社会的証明は、例が自分の状況に近い人であるほど効果が高い
- ネガティブな社会的証明は危険
『赤信号みんなで渡れば』になり、悪事を助長してしまう
→良い振る舞いを伝える - 平均よりも良い行いをしている人も、平均値に近づく力が働いてしまう。
→良い行いには肯定的なメッセージを伝える - 特典を無料にすると、価値がないものだからと思われてしまう。
→実際の価値を合わせて示すと、ありがたみが増す - 上位商品の役割は、下のラインナップのお買い得度が増して見えること
→数が出ないからといって最上位商品を外すと、
その下のラインが最上位となってドミノ倒しになる危険性! - 恐怖による説得には、具体的な解決方法を同時に伝える必要がある
- 返報性の原理には強い持続力があり、好き嫌いにも勝る
- 「誰かを助けておけばいいだろう」と考える方がはるかに生産的
- アンケートに、一言手書きの付箋を貼るだけで回収率が高まり、
反応の早さも内容の詳しさも向上する
→何かを依頼するときには、その方法に親しみや心配りが表れていればいるほど、
相手が承諾してくれる可能性が高まる。 - インセンティブと返報性とは異なるので注意が必要
→誰かが「あなたが私に先に何かをしてくれたら」という条件つきで
「◯◯してあげる」という見返りを提案してきた場合、
あなたがそれに協力する義理はほとんどないということです。 - 同僚、顧客、生徒、知り合いなど誰かに協力を促すためには、
まずこちらが本当に完全に無条件で手助けを申し出なくてはいけない - 返報性は時間でどう変化する?
恩恵を受けた側の人:受けた直後は恩恵の価値を高く見ていたが、
時間が経つにつれて、恩恵の価値を低く見るようになる
恩恵を与えた側の人:与えた直後は恩恵の価値を低く見ていたが、
時間が経つにつれて、してあげたことの価値を高く見るようになる - ラベリングは、相手にそのラベルのとおりに振る舞うように求める
→「いつもご協力頂きありがとうございます」というタイプ - 一貫性、コミットメントは人の行動を強く縛る
例)質問で協力を引き出す
(Yesと言ってくれそうな)社会的に好ましい行動をするかどうか尋ねる
Yesならその理由を尋ねる
→自発的、積極的、公言されたコミットメントは強い効果 - 「キャンセルなさるときはお電話いただけますか?」
→自分で理由を書いてもらう - 目標を紙に書くのも、自分に対するコミットメント
- 加齢と共に一貫性に対する志向は強まる=歳を取るとがんこになる
→習慣との一貫性を伝えるとプラス
ただし、以前の判断は「その時点では」正しかったと伝える - あまりよく思われていない人に頼みごとをする
→恩を施してくれた人は好意を持ってくれる - 「1ペニーでも助かります」
募金してくれる人の数が増え、平均額は変わらなかった
「少しで構わないので」と伝えるのがよい
→「小さな一歩」効果 - 自己宣伝は反感を呼び起こす
→他人に自分の知識や業績を紹介してもらう 資格や免状、証書でもいい - 集団における意思決定では、 結局意思決定をしているのはリーダー一人
→リーダーは反対意見を求めるように意識する必要
悪魔の代弁者でもいないよりマシだが、効果は小さくなる - 小さな欠点には先に知らせると、誠実さと写り好感度が増す
ただし欠点は小さい必要。欠点と関連のある長所を示すと更によい - 人は自分の名前に似ている人やものに親しみを感じる。職業ですら!
→相手のセリフを全く同じに繰り返すだけで好感度が増す - ニューコークは損失回避と希少性で理解できる
→なじみのものを失う恐れ - 人にものを頼むときは、必ず強力な根拠を示すといい
当たり前の根拠でも、受け入れてもらえる確率が上がる - 読みやすさ、理解しやすさ、発音しやすさを内容の説得力と関連付けてしまう
→発音しやすい、韻を踏んでいる、わかりやすい名前にすると良い - 8個ためると特典がもらえるポイントより、10個でもらえて既に2つあるポイント
→途中まで来ていると感じることで、進みやすくなる - 鏡を置いておくだけで不正行為は減る。目のマークでも!
→自分の目でも、他人の目でも効果あり。 - 感情の高まり、睡眠不足は判断に影響を与える。しかもそれは自覚しにくい
- 個人主義(米、英など欧米諸国)と集団主義(日本などアジア諸国)の国では
判断基準が異なる
→一貫性に訴えるか、社会的証明に訴えるかを変える必要
どれも身に覚えがあることで、日常生活にも応用が利きそうなことばかり。
なんだかずらずらと並べて読みにくくなってしまったが、
メモを取ってしまったのだからしょうがないじゃない!
ということで、影響力の武器に続いて、これまたとても興味深く読めた。
文句なしの★5つ!
ちなみに影響力の武器本編同様、マインドマップ的読書感想文での
書評を読んだのがきっかけ。ありがとうございます。
【スゴ本】「影響力の武器 実践編」がやっぱりスゴかった件:マインドマップ的読書感想文
関連:
- 影響力の武器 ★★★★★
- 心の動きが手にとるようにわかるNLP理論 ★★★★☆
- 誘惑される意志 ★★★★☆
その他の書評などはこちら。
→Socialtunes – haru