- 脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書 は 5-1)
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- 発売元: 幻冬舎
- 価格: ¥ 777
- 発売日: 2009/09/30
★★★★☆
勉強や仕事はすぐ疲れるが、好きなことにはいつまででも没頭できる。
昔のゲームやマンガの細かい内容、好きな先生に教わったことはよく覚えている。
一方、一夜漬けで臨んだ試験の記憶はかけらも残っていない。
こういったことは、脳のしくみから考えると自然なことなのだそうだ。
脳のしくみを知り、それに合った習慣をつけることで、
記憶力を高めたりやる気を持続させたりすることができる。
おもしろい!
脳が、入ってきた情報について初めにすることは、
「感情によるレッテルを貼る」ということ。
その後の処理のパフォーマンスは、そのレッテルに左右される。
例えば、つまんないなー、と思いながらインプットしたことは、
脳は確実に忘れてくれるようだ。
興味を持つこと、好きだと思うことは、脳にとって重要だと判断され、
記憶にも残りやすくなるのだ。
プラス思考がよしとされる根拠は「脳のしくみ」という
深いレベルにあったようだ。
また、興味があることをしているときは、脳が回復しやすくなるらしい。
それは、脳の疲労を除去する中枢が、A10神経群とつながっているからです。
楽しいと感じることをやっていると、脳の疲れが取れていきます。
つまり、「疲れない脳」は、興味をもっておもしろいと思える感性がつくっているのです。
しかしときには、好きになれないことであっても、
やらなければならないこともある。
そんなときはどうすればいいのだろう?
このようなときは、自分で「この条件において」と前提を置いてみることが有効です。
「この限定された条件において、どのようにうまくやるか」
というゲームと捉えるということだろうか。
脳を積極的にする方法については、
ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則に書かれている。
こちらもオススメ。
報酬がやる気を引き起こすということはよく知られている。
ここをつかさどる部位を自己報酬神経群という。
この報酬について、この本ではもう一歩踏み込んで説明している。
自己報酬神経群を働かせるのは、「ごほうびが得られた」という結果ではなく、
「ごほうびが得られそうだ」という期待であることに注意が必要です。
「楽しいことした」からがんばろう、では良くなくて、
「後で楽しいことをしよう」という方が、
脳にとってはうれしいということ。
以下、メモ。
自己報酬神経群を働かせるコツをまとめると、
「目的と目標を明確にし」「ゴールを意識せず」
「主体的に、自分がやってやるという意思をもって」
「達成のしかたにこだわる」「目標の達成に向けて一気に駆け上がる」
つまり、すばらしい考えー独創的なアイデアや新たな発見は、
何度も何度も思考することによって生まれるのです。
まとめると、以下のようになる。
つまり、何かを覚えるにはまずA10神経群で「プラスの感情のレッテル」
をはることが大変有効で、また自己報酬神経群を働かせるために
「これを覚えることは自分にとってうれしいことだ」「自分からやってやろう」
というスタンスをもつことが、記憶力を高めるということです。
著者は救急医療に携わっていたそうだ。
生死の境をさまよう患者さんが運び込まれる、過酷な環境だ。
そんな中で、メンバーに
「マイナスなことは言わない」
ことを課したそうだ。そしてそれは結果につながったという。
チームのパフォーマンスを最大化し、
患者さんを一人でも多く救うための方法が、これなのだ。
ただ「職場の雰囲気がよくなる」というレベルではない。
「プラス思考」という一言でわかった気になるのでは、浅すぎるようだ。
オススメ度は★4つです。おもしろい本でした。
上でも触れたポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則も合わせて読むと、
なぜ「良いことを考えろ。話せ」という教えが多いのか、
理解が深まるはず。
関連:
- ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則 ★★★★★
- 脳が教える! 1つの習慣 ★★★★★
- 脳が冴える15の習慣 ★★★★☆
- 本:脳科学の本まとめ
その他の書評などはこちら。
→Socialtunes – haru
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