- 急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 (SB文庫 ク 2-1)
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- 発売元: ソフトバンククリエイティブ
- 価格: ¥ 819
- 発売日: 2007/06/23
★★★★★
それまで特に大きな変化ではなかったのが、
ある点を超えた瞬間、雪崩のように広まっていく。
この転換点のことをティッピング・ポイントと呼んでいる。
それは商品の売上の急上昇かもれないし、病気の蔓延かもしれない。
分野が違っても現象として同じなのであれば、
同じメカニズムとして説明できるのではないか?
そして更には、このティッピング・ポイントを
狙って引き起こすことはできるのだろうか?
そうした研究の結果をまとめたのがこの本。
著者は「天才! 」のマルコム・グラッドウェル氏。
ティッピング・ポイントの発生には、
コネクター、メイヴン、セールスマンという3種類の人が
大きな役割を果たすという。
コネクターとは、人と結びつくのが趣味のような、
異常に交友関係が広いハブのような人。
発想なり製品なりがコネクターに近づけば近づくほど、
力と機会が増えるということも意味する。
口コミとは、いかにコネクターと呼ばれるような
広い交友関係を持つ人にたどり着くかという勝負になる。
メイヴンとは、通な人のこと。
データバンクであり、それを他人に教えたがっている。
この人の言うことなら確かだろう、という人。一種のオタク?
セールスマンとは、他人の行動を促す人。
これも一種の才能に基づく技術であるようだ。
感情や気分を上手に表現できる人は、他の人よりもはるかに
感情の感染力が強いということなのだ。
一方、アイデア自身にも「粘りの要素」が必要。
つまり、人の記憶に残り、行動を促すような
ものであることが必要。
そして環境も、人の行動に影響を与える力を持っている。
これが「背景の力」と呼んでいるもの。
割れ窓理論と言い換えてもいい。
背景の小さな変化が爆発的な伝染においても重要な要素だということ。
人の持つ個性よりも環境の方がはるかに影響が大きい、
という実はかなりラジカルな主張。
ティッピング・ポイントは人を介して起こるもの。
正しい場所に集中してちょっと押してやること。
それで世界は傾く、とのこと。
反発と受け入れ、一気に伝染していくものとそうでないもの、
これらを画する一線は、ときに見かけよりもはるかに幅が狭いのである。
以上。かなりおもしろかった。読んでおいて損はなし。
オススメ度は★5つです!
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