- 企業変革の核心 「このままでいい」をどう打ち破るか
-
- 発売元: 日経BP社
- 価格: ¥ 2,310
- 発売日: 2009/03/05
★★★★☆
企業風土を変えるには?
変革というのは簡単なことではない。むしろ、人間は変化を嫌うものだ。
そんな中で、どうすれば「企業変革」という一大事を
成し遂げることができるのだろうか?
「企業変革力」「ジョン・コッターの企業変革ノート」
「カモメになったペンギン」など、企業変革について
多くの著作を生み出してきたコッター教授。
彼が提唱する8つのステップの1番目、「危機意識を高める」に
フォーカスしたのが本書である。
革新の成否は「多くの社員に危機感を持たせられるかどうか」が決め手だからだ。
この本では、どうしたら周囲に危機意識を持たせることができるかという点について
注意すべき点を、具体的な例を挙げながら示している。
変革の敵は、次のようなもの。
思い当たるところはないだろうか?
- 自己満足
- 偽の危機感
- 内向き組織
こういった敵に対抗し、危機意識を保つ公式は以下の通りである。
- 成功の後では危機感は薄れやすいとわきまえる。
- それを食い止める策をあらかじめ知っておく
- 危機感が薄れ始めたら、心に訴えることに注意しつつ、
ただちに適切な戦術を適用する - 外を内に呼び込む戦術を強化する
-現場の声を聞く
-目のつきやすいところに情報を掲げる
-人を外に出す
-外から人を入れる
-情報提供に工夫を凝らす - 目新しいやり方で、危機感を行動に表す
- 新たな危機を利用する(または新たに危機的状況を作り出す)
- 否定論社の残党に断固とした処置を講ずる
そして、何よりも以下の点が大事。
今日から始める
-できることから、すぐに
-明日ではなく、今日
-誰かではなく、私たちが
人間のモチベーションにはおおまかに2通りある。
喜びの追求と、恐怖からの逃避だ。
危機感への対処は後者に他ならないが、
個人的には前者の方がパワフルだと思う。
それでは、企業変革には前者のエネルギーは使えないのだろうか?
というのが読後に残った質問。
具体的な人物の例を挙げ、成功例と失敗例もわかりやすく示されている。
組織の風土を変えたいと考えている人には、よい手引きとなるだろう。
オススメ度は★4つ。よい本です。
キーワードは、変革、危機感、自己満足。
- 企業変革の核心 「このままでいい」をどう打ち破るか
-
- 発売元: 日経BP社
- 価格: ¥ 2,310
- 発売日: 2009/03/05
関連:
- J. P. コッター ビジネス・リーダー論 ★★★★☆
- カモメになったペンギン ★★★★☆
- なぜ会社は変われないのか ★★★★☆
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その他の書評などはこちら。
→Socialtunes – haru
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