- 全脳思考
-
- 発売元: ダイヤモンド社
- 価格: ¥ 2,100
- 発売日: 2009/06/12
- 発売日: 2009/06/12
★★★★☆
ビジネスにおけるオーソドックスな戦略とは、過去の事例の分析から
近い将来を予測し、その前提における最善の手法を取る、というものだ。
この方法は確かに有効で、根拠の説明も
ロジカルに行えることから、関係者の理解も得やすい。
しかしこの方法では、今まで存在しない、過去の延長線上にない
新しいモノを生み出すことは難しい。
それではどうすれば、過去の制約に囚われないような
クリエイティブな発想ができるのだろうか?
その答えの一つとなるであろう手法が、
神田昌典氏の提唱するこの「全脳思考モデル」である。
簡単にまとめると、その商品・サービスを利用する
具体的な顧客を思い浮かべ、その人が120%満足する姿を思い浮かべる。
そこから逆算して、何が起きたのかを想像していく、
といったプロセスをたどるものだ。
こうすることで、過去の事例の制約を外れ、
より広い視点に立ったクリエイティブな発想が得られる。
具体的な顧客を想定するという点においては、
ペルソナに似ているとも言える。
(想定と実際の人という違いはある)
また、スピーチの手法も紹介されている。
- オープニング
- テーマ
- プレミス(前提)
- バックグラウンド
- プルーフ1,2,3
- コンクルージョン
長さは、プルーフをどれだけ掘り下げるかで調節できる。
プルーフの説明は、ピラミッドストラクチャーを取る。
(参考:考える技術・書く技術)
こういった型を覚えていると、とても使い勝手が良い。
こちらも本筋とは外れるが、紹介されていた
プレゼンの準備の手法もおもしろかった。
- 寝る前に、プレゼンに使うプロジェクターを思い浮かべ、
そこにプレゼンのスライドを投影する - クライアントが頷いて満足しているイメージを思い浮かべながら眠る
- 目覚めた時にスライドに何が書かれていたかを考えて、
思いついたことを書き出す
他にも、U理論についての説明も盛り込まれていたりと、
450ページを超えるため内容的には数冊分のボリュームがある。
個人的には、ちょっと詰め込みすぎな印象を持った。
むしろ数冊に分かれていて、一つ一つの内容についてもう少し
説明してもらった方が理解が深まるのではないかと感じた。
YouTubeに神田氏自身がこの「全脳思考」について
説明している動画がいくつか上がっている。
本を読む前に見るとよくわからないかもしれないが、
見てみるとよいかもしれない。
動画には、特設サイトからアクセスできる。
『全脳思考』特設サイト【より理解するための無料コンテンツ】
ということで、いろいろなヒントが得られる良い本。
ただ、上に書いた点が悩ましかったので、★4つ。
- 全脳思考
-
- 発売元: ダイヤモンド社
- 価格: ¥ 2,100
- 発売日: 2009/06/12
- 発売日: 2009/06/12
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