- 松永真、デザインの話。+11
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- 発売元: ビー・エヌ・エヌ新社
- 価格: ¥ 2,205
- 発売日: 2004/09/10
★★★★☆
松永真氏。
掲載されている作品を見ると、「日常性の美学」という言葉通り、
誰しもどこかで目にしているデザインたち。
その道ではとても有名なのだろうが、一般の人はあんまり知らない。
音楽における菅野よう子のようだ。
松永氏のデザインの受賞歴は、国内外問わず華々しい。
デザインという個性を競う業界の中においてすら、
彼を際だたせるものは何なのだろうか。
答えは、デザインにかける情熱と、対象をデザインする意味を考え抜く
姿勢ではないかと思えた。
それは、仕事に対する姿勢としても現れている。
- つまらない約束は破るのではなく、まずサッサと果たしてしまう。
その後に本当に自分のやりたいことを実行する。 - 具体化したディテールを獲得して反論を実証することが最高の反発であり、
そのことこそが、まさにデザインの意思表示だと思うのだ。 - 誰に何を言われようと「今、自分にとって新鮮な」
私にとって作品を作る目的が賞をいただくことでなかったからだろう。
以下雑感。
世の中は、デザインについて二分化していると感じる。
意識している人は常にしているし、していない人は全くしない。
デザイン意識があるものとないものの差が激しすぎる。
なぜデザイナーがデザインすると、妙な形で妙な値段になるのか。
逆に、なぜ日用品はセンスのないデザインが多いのか。
この本を読んで、それはスポンサーの有無なのだろうと思った。
一方で松永氏のように、日常品のデザインに対しても、
意味を突き詰めて考え、魂を吹き込んでいる人もいるとわかった。
日常を囲むデザインには、もっとセンスが良くなってほしい。
などと、デザインセンスのかけらもない自分が
しゃあしゃあと言うの図ここにあり。
★4つ。
関連:
- デザイン魂 (トム・ピーターズのマニフェスト 1) ★★★★☆
- 誰のためのデザイン? ★★★★☆
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