- 人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く
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- 発売元: ランダムハウス講談社
- 価格: ¥ 1,890
- 発売日: 2008/11/20
★★★☆☆
経済学は人がインセンティブに応じて行動するとしているが、
果たして人はどれだけ合理的にインセンティブを計算できるのだろうか。
そういった疑問を元に、人の不合理さを説明するのが、
心理学やそれに基づいた行動経済学である。
本書はタイトル通り、そうは言っても人は以外に合理的なのだと説く。
ただし、人が完全に合理的なのだというのではない。
不合理なところもあるが、無意識のうちにかなり合理的な行動を
とっているのだと、豊富な実例を元に説明している。
ただし、人が合理的になれるのは、見た目の罠を見抜く経験を積んだ
場合であるようだ。例えば、プロのギャンブラー、売春婦など。
そしてそんな彼らでさえも、現実から隔離された人工的な環境に置かれると、
不合理な行動をしてしまうのである。
つまり、著者の主張は行動経済学の主張と矛盾しない。
人は、瞬時に複雑な損得勘定はできないので、
様々なパターンの不合理な行動をしてしまう。
ただし経験を積み、真の損得勘定を見抜くようになった場合には、
合理的に振る舞うことができるのである。
結局人はだまされやすく、合理的になれるのは限られたケースであるようだ。
ちょっと読みにくかった。★3つ。
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