今更な感じもするが、OS9からOSXになって困ったことの一つは、 今まで使っていたプリンタのドライバがメーカーからなかなか配付されず(ときには「配付予定なし」だったり)、 使えなくなったことだろう。
しかしOSXは、JaguarからCUPS(Common Unix Printing System)に標準で対応しており、 メーカーからOSX用のドライバが配付されていなくても、プリンタを利用できる可能性がある。 またPantherからはGimpPrintも標準でインストールされるため、利用できるプリンタの数は飛躍的に増加した。 Appleのサイトに概略の説明がある。
ここではメーカーからドライバが配布されていないプリンタを利用できるかの判断と、 利用できるようにする方法を説明する。
そのままで利用できるか?
まず何の作業も必要なくそのままの状態で利用できるかを調べる。
- プリンタの電源を入れ「アプリケーション」→「ユーティリティー」→「プリンタ設定ユーティリティー」を開く。
- Optionボタンを押しながら「追加」ボタンを押す。
- 現れたウィンドウ「プリンタの機種」プルダウンから利用しているプリンタのメーカーを選択し、 表示されるプリンタ名一覧の中に利用しているプリンタがあるか調べる
あれば作業は必要ない。そのプリンタを選択する。 プリンタが認識されていれば「装置」のところに現れるので、それも選択して「追加」を押せばOK。
ない場合には以下に進む。
作業を行えば利用できるか?
作業を行うことで、プリンタを利用できるようになるか調べる。
Linuxprinting.orgのサイトで使いたいプリンタのメーカー、モデルを選択する。
「Works Perfectly」又は「Mostly」とあれば、利用できると考えてよい。
「Partially」や「Paperweight」の場合は難しい。
前者の場合は以下の作業で使えるようになる。
ドライバのチェック
そのプリンタの「Recommended driver」の右に表示されているリンクをクリックする(だいたいgimp-printだろう)。 これが利用するドライバなので、覚えておく。
以下、そのリンク先の上から3行目ぐらいに「Execution style」が「Ghostscript」である場合について説明する。 それ以外の場合も指示に従えば使えるようになるはずなので、がんばる(英語だが)。
Ghostscript、ドライバのインストール
Jaguar(OSX10.2)やPanther(OSX10.3)には、Ghostscriptがインストールされていない気がするので(たぶん)、小川氏のサイトから「ESP Ghostscript 7.07.1 for MacOSX 10.2/10.3」をインストールする。 その下にあるOX10.1版を使えば、おそらくOSX10.1でも使えるようになるだろう。
次に、先程調べた「必要なドライバ」をインストールする(例:Gimp-print)。 これは一つ一つやり方が違うので、サイトの指示に従って行う。
例えばドライバがGimp-printである場合には、 Gimp-Print for Mac OS Xよりgimp-print-4.2.6-0.ppc.dmgをダウンロード、 インストールする。
ちなみにPantherではGimp-printが標準でインストールされているので、 Pantherを使っていて必要なドライバがGimp-printである場合は、この項の作業は必要ナシ。 というか、その場合は上の「そのまま利用できるか?」のところで利用できているはずである。 次の項へ進む。
PPDファイルのインストール
CUPSを通じて標準で対応していないプリンタを使うには、 そのプリンタの情報を記したPPDファイルが必要である。 理由は小川氏のサイトに詳しく書かれているので参照されたい。
さて個々のプリンタについてのPPDファイルは、 上でそのプリンタのドライバをチェックしたページ (一番上に「Printer: プリンタの名前」と書いてあるページ)の下の方にある 「download PPD」からダウンロードできる。 クリックすると、「プリンタ名.ppd」というファイルがダウンロードされる。
そのファイルを正しい位置に移す。 Finderでは移せないところなので、ターミナルを使用。
% sudo mv ~/Desktop/プリンタ名.ppd /usr/share/cups/model/
これでプリンタ固有の情報をCUPSで認識できるようになった。 ここで改めて一番初めに戻る。
- プリンタの電源を入れ「アプリケーション」→「ユーティリティー」→「プリンタ設定ユーティリティー」を開く。
- 「追加」ボタンを押し、現れたウィンドウの「プリンタの機種」プルダウンから利用しているプリンタのメーカーを選択する。
- 表示されたプリンタ名一覧の中から利用しているプリンタの名前を選択する
プリンタの名前が現れていなかったら、それまでの作業のどこかがうまくいっていないことになるが、 とりあえず現れていたことにしてそれを選択する。
次にブラウザでもお好きなソフトの「印刷」コマンドを選ぶと、 ウィンドウの「プリンタ」プルダウンの選択肢にそのプリンタが現れただろう、 というか現れていて欲しい。 そしてプリントできて欲しい。
まとめ
以上、OSXではUNIX用のプリンタドライバを流用可能なため、 メーカーがOSX用のドライバを作っていなくても頑張ればプリントできる、 ということを示してみた。
一般的なケースについてしか書いていないので、 一般的ではないケースの人は頑張って下さい。
参考サイト:
- 小川氏のサイト 作業の内容について知りたい人は必読